要件定義で業務フローを整理しようとする時に、まずフローチャートを作ろうとする方も多いように思います。
今回はいきなり業務フロー図を描くのはやめましょう、という記事です。
まず業務フローをまとめる目的は「情報整理」のためです。
要件定義などでいきなりシステム化の業務フロー図を書こうとすると複雑になったり、整理できなかったりするすることもあるので、業務プロセス関連図→業務フロー→システム化業務フローの3つの階層に分けて段階的に作成することで業務全体を漏らさずに整理することが重要です
業務プロセス関連図:業務プロセス全体を書き出す
- 対象となる業務全体の流れを鳥瞰して1枚にまとめた図です

- ●●業務とか●●処理など、大括りな表現で記入します
- 経営層が主体となる業務プロセスの改革には、このレベルの図を使って検討を進めたりすることもあります
- また、プロジェクトのスコープを明確にするとともに、スコープ外のプロセスも明示します
- 特に社内の他システムや社外の外部システムとの連携が無いかを確認して、存在する場合はやり取りする内容も併せて記載しましょう
記載時のポイント
- プロジェクトのスコープを表現し、スコープ外のプロセスや社内外のシステムも漏らさずに記載
- 連携している社内外のシステムがある場合は、やり取りしている内容やデータも明確に記載
- 細かい分岐等は不要で●●業務や処理など抽象化する
業務フロー:プロセスの細分化
- 対象業務の現状(AsIs)の流れをまとめたフロー図です

- 業務プロセス関連図に記載されている業務の1つorひとかたまりを切り出して業務プロセスの流れを詳細化します
- フロー図を業務担当者や責任者と共有し、現状の問題や課題の抽出、業務プロセスの改善を検討する際に使います
- 将来のあるべき姿(ToBe)を業務フローに表すことで、プロジェクトの目的や期待する効果を達成できるプロセスになっているかの検討にも使います
記載時のポイント
- 業務で何をするかという視点で記載します
- システムを意識せずに業務プロセスの作業を洗い出すようにしましょう
- 通常業務で対応できない例外的な業務も洗い出して業務フローに記載します
- 登場する担当や組織の範囲を明確にするために、縦軸か横軸どちらでも良いので区切ってスイムレーンを作って記載します
- 条件で作業内容が変わるような業務など、複雑な業務がないかも併せて確認して記載するようにしてください
システム化業務フロー:システム利用場面を含めてプロセスの詳細化
- システムを利用した場面を書き込んだフロー図です

- 業務フローで記載している作業の1つorひとかたまりを切り出して、システムの利用場面を追加して詳細化します
- システムの現状の問題・課題の抽出、システム化の改善の検討に使います
- 将来のあるべき姿(ToBe)を業務フローに表すことで、プロジェクトの目的や期待する効果を達成できるシステム利用のプロセスになっているかの検討にも使います
記載時のポイント
- 考え方は業務フローと同じです
- システムの操作やシステム機能と画面や帳票or対象アイテム、情報の流れをセットで記載するようにしましょう


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