Gemini Enterpriseには、組織の規模やセキュリティ要件に応じて複数のエディションが用意されています。本記事では、Business、Standard、Plusの違いを詳しく解説します。
比較早見表
まずは、各エディションの主な違いを一覧で確認しましょう。
| 項目 | Business | Standard | Plus |
|---|---|---|---|
| ターゲット | 小規模チーム・特定部門 | 大規模組織・全社展開 | 高度な要件を持つグローバル企業 |
| 最大ユーザー数 | 1〜300人 | 無制限 | 無制限 |
| ストレージ/インデックス | 25 GiB / シート | 30 GiB / シート | 75 GiB / シート |
| Gemini Code Assist | 非対応 | 利用可能 | 利用可能 |
| 独自エージェント導入(ADK/A2A) | 非対応 | 利用可能 | 利用可能 |
| 高度なガバナンス(CMEK/VPC-SC) | 非対応 | 利用可能 | 利用可能 |
| データ所在地(Data Residency) | 非対応 | 対応 | 対応 |
| Frontlineオプション | 非対応 | 購入可能 | 購入可能 |
全エディション共通の基盤機能
どのエディションを選択しても、以下のエンタープライズグレードの機能が標準提供されます。
セキュリティとプライバシー
Gemini Enterprise(Business、Standard、Plus)では、入力データや出力結果がGoogleのモデル学習に使用されることはありません。
※注意:無料トライアル版の「Starterエディション」は、デフォルトでサービス改善やトレーニングにデータが利用される可能性があるため、機密情報を扱う場合は有料エディションへの移行を推奨します。
データ連携
Google Workspace、Microsoft 365に加え、Salesforce、SAP、Workday、BigQueryなどの主要システムへのコネクタを提供します。
権限対応の検索
社内データに基づく回答生成時、ユーザーが保持しているアクセス権限を厳密に継承します。
Gemini Enterprise Business
IT部門による複雑な構成を必要とせず、即座に利用を開始できるエディションです。
主な機能
- Gemini Chat:情報検索、分析、マルチモーダルコンテンツの生成
- コネクタ:Google WorkspaceやMicrosoft 365などのデータに接続
- Agent Designer:ノーコードで独自のカスタムエージェントを構築
- プリセットエージェント:Googleが提供する業務自動化エージェントを利用可能
こんな組織におすすめ
- 従業員300名以下の中小企業
- 特定部門でのAI導入を検討している
- まずは手軽にAIを試したい
- 高度なセキュリティ要件がない
Gemini Enterprise Standard / Plus
大規模組織向けのプランです。Businessの全機能に加え、高度な開発支援とエンタープライズレベルの管理・セキュリティ機能が含まれます。
開発・生産性向上機能
- Gemini Code Assist Standard:デベロッパー向けのAIコーディング支援
- ADK(Agent Development Kit)/ A2A:独自のエージェントやサードパーティ製エージェントの高度な導入
- Made by Googleエージェント:Deep Research(高度な調査)やData Insights(データ分析)などの専門エージェント
高度なセキュリティとガバナンス
- VPC Service Controls:データの流出防止とネットワーク境界の制御
- 顧客管理の暗号鍵(CMEK):独自の鍵によるデータ暗号化
- アクセスの透明性:Google担当者によるデータアクセス履歴を可視化
- データ所在地:特定の地理的境界にデータを保持する要件に対応
- コンプライアンス:HIPAA、FedRAMP Highなどの厳格な規制要件をサポート
StandardとPlusの違い
主な違いはストレージ容量です。
| 項目 | Standard | Plus |
|---|---|---|
| ストレージ/インデックス | 30 GiB / シート | 75 GiB / シート |
Plusの大容量インデックスは、情報の蓄積が直接的な資産となるナレッジ集約型組織に適しています。
こんな組織におすすめ
- 従業員300名以上の大規模組織
- 全社的なAI導入を計画している
- 開発者向けのコーディング支援が必要
- 金融・医療など規制産業に属している
- 高度なセキュリティ・コンプライアンス要件がある
Frontlineオプション
Standard/Plusを150ユーザー以上契約している組織は、アドオンとしてFrontlineエディションを選択できます。
Frontlineは、店舗や工場などの現場担当者が「管理者が承認した特定のエージェント」にのみアクセスできるように制限するもので、コストを最適化しつつ全社的なAI活用を推進できます。
どのエディションを選ぶべきか
| シナリオ | 推奨エディション |
|---|---|
| 特定チームでAIを試したい | Business |
| 300名以上の全社展開 | Standard / Plus |
| 独自エージェントの開発が必要 | Standard / Plus |
| 大量のナレッジを蓄積・活用したい | Plus |
| 現場スタッフにも展開したい | Standard / Plus + Frontline |
まとめ
Gemini Enterpriseのエディション選択は、組織規模、セキュリティ要件、開発ニーズが主な判断基準となります。
- Business:300名以下、特定チームでの導入、コスト重視
- Standard:大規模組織、全社導入、高度なセキュリティ要件
- Plus:大容量ナレッジ、グローバル企業向け