日常の定型業務や複雑なリサーチ作業を、AIが自動で進めてくれたら便利だと思いませんか?Google Cloudの「Gemini Enterprise」には、まさにそれを実現するエージェント機能が搭載されています。
この記事では、Gemini Enterpriseのエージェント機能の概要から、強力な組み込みエージェントの紹介、そしてプログラミング不要(ノーコード)で独自のエージェントを作成する方法までをわかりやすく解説します。
Gemini Enterpriseのエージェント機能とは?
Gemini Enterpriseのエージェントは、自然言語(普段私たちが話す言葉)による指示に基づいて、特定のタスクを自律的に実行するカスタムAIです。最大の特徴は、プログラミングの知識が一切不要(ノーコード)である点です。
カレンダー、Google ドライブ、Gmail、さらにはBigQueryなどの社内データソースと連携し、あなたのワークフローに組み込んで業務を大幅に効率化することができます。
エージェントに任せられる主なタスク
- 質問への回答と情報検索: 接続された複数のデータソースから情報を探し出し、統合して回答します。
- コンテンツの生成: メールの下書き、ドキュメントの要約、レポートの作成、さらには画像や動画の生成も行います。
- タスクの自動化: 複数ステップにわたる複雑なプロセスを自動化します。
- データの分析: 膨大なデータを分析し、インサイト(洞察)を提供します。
Agent Gallery:エージェントを探す・管理するハブ
Gemini Enterpriseアプリ内の「Agent Gallery」は、エージェントの発見と管理の中央ハブです。ギャラリーには以下の3つのカテゴリでエージェントが表示されます。
- Made by Google: Googleが事前構築した、すぐに使える強力な特化型エージェントです。
- 自分の組織から: 社内の他のメンバーが作成し、共有してくれたエージェントです。
- エージェント: あなた自身がエージェントデザイナーを使って作成したカスタムエージェントです。
すぐに使える!強力な「Made by Google」エージェント
Agent Galleryには、専門的なタスクに特化したGoogle公式のエージェントが用意されています。代表的な2つを紹介します。(※Frontlineエディションでは利用不可)
1. Deep Research(ディープ リサーチ)
社内外の情報を深く調査・分析したい場合に最適なエージェントです。質問を投げかけると、まずは「リサーチプラン(調査計画)」を作成します。プランを承認すると、エージェントが自律的に調査を開始し、引用元のリンクが付いた詳細なレポートを生成します。さらに、レポートの概要を把握しやすい1〜2分の音声要約まで作成してくれます。
2. アイデア生成エージェント
マーケティング施策や新機能のアイデアなど、ブレインストーミングが必要な場面で活躍します。目標と制約(例:「実現可能性が高く、2週間以内にテストできるもの」など)を入力すると、AIが大量のアイデアを生成。さらに、生成されたアイデア同士でトーナメント形式の評価を行い、ランキング順に優れたアイデアを提示してくれます。
ノーコードで独自エージェントを作成する2つの方法
既存のエージェントだけでなく、「エージェントデザイナー」を使ってあなたの業務にぴったりのカスタムエージェントを作成することもできます。作成方法は主に2つ用意されています。
方法1:プロンプトで対話しながら作成(手軽に作成)
最も簡単な方法です。チャット画面で「CRMの新しい見込み顧客へのフォローアップメールを下書きするエージェントを作成して」のように目的を伝えると、AIがその指示を理解し、エージェントの初期バージョンを自動で生成してくれます。ここからプレビューで動作を確認し、指示を微調整していくことができます。
方法2:フロービルダーで作成(複雑な処理向け)
複数のステップや条件分岐を伴う複雑なタスクを処理させたい場合は、フロービルダーを使用します。視覚的なキャンバス上で「メインエージェント」と特定の役割を持つ「サブエージェント」を繋ぎ合わせ、緻密なロジックフローを構築できます。
NotebookLM Enterpriseとのシームレスな連携
Gemini Enterpriseは、AIノートブック機能である「NotebookLM Enterprise」と強力に連携しています。
たとえば、検索機能で見つけた重要なドキュメントや、アイデア生成エージェントが生み出した素晴らしいアイデアのリストを、ワンクリックでNotebookLMのノートブックにエクスポート(保存)できます。エクスポートしたデータをもとに、NotebookLM上でさらに深い分析を行ったり、複数のソースを組み合わせたレポートを作成したりすることが可能です。
まとめ
Gemini Enterpriseのエージェント機能は、社内のデータとAIの力を結びつけ、誰もがノーコードで業務自動化を実現できる強力なツールです。まずはAgent Galleryにある「Deep Research」などを試してみて、慣れてきたら自身の業務に特化したオリジナルエージェントの作成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。