こんにちは。KIYONOエンジニアの田代です。
クラウドコンピューティングは、ビジネスの世界で必要不可欠な存在となっており、うまく活用することで業務の効率化や生産性の向上を実現することができます。
しかし、その用語が日常的に使われるようになっても、クラウドコンピューティングの実態や具体的な利点を詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、クラウドコンピューティングの基本、その仕組みや導入するメリット・デメリットに至るまで、幅広く解説していきます。
クラウドコンピューティングとは
クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じて、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどのコンピューティングリソースを利用する仕組みです。
これにより、物理的なハードウェアを自社で用意することなく、必要なリソースをクラウドベンダーから借りる形で使用できるようになります。
さらに、システムの構築やアップデート、保守管理などはクラウドベンダーがやってくれるため、企業はこれらの手間を省くことができるようになります。
そのため、必要なコンピューティングリソースの分だけ料金を支払えば利用できるという強みがあります。
クラウドコンピューティングでできること
クラウドコンピューティングは、さまざまな領域で活用が可能です。
ここでは、クラウドコンピューティングを利用することで実現可能な具体的な活用例を紹介します。
- メール
- ファイルの保存・共有
- 資料作成・保存
- アプリ開発
- データ分析
- バックアップ
クラウド上のメールサービスを利用することで、メールサーバーや専用ソフトウェアが不要になり、どの端末からでもメールの送受信が可能になります。
ファイルをクラウドに保存することで、いつでもどこからでもアクセス可能になり、共有も簡単になります。
また、ストレージの管理や買い替えにかかるコストも削減できます。
クラウド上で資料を作成、保存することができます。
これにより、どこにいても作業を再開でき、端末が故障してしまった場合にもデータが失われる心配がなくなります。
クラウド上のプラットフォームを使用することで、開発環境の準備時間を大幅に短縮でき、業務効率化アプリからモバイルゲームなど、様々なアプリケーションの開発が可能になります。
また、拡張性が高く、需要の変動に応じてリソースを柔軟に調整できるため、コストメリットが高くなります。
クラウドを活用することで、ビッグデータの分析も手軽に行えます。高い処理能力や分析ツールを利用して、経営判断の最適化を実現できます。
社内ネットワークや重要なデータをクラウド上に保管することで、災害時でもデータを安全に保護できます。
物理的なハードウェアの設置や保守管理が不要になるため、安心して利用することができます。
クラウドコンピューティングの種類
クラウドコンピューティングと一口に言っても様々な種類に分かれており、提供形態やサービス形態で分類されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クラウドコンピューティングの提供形態
クラウドコンピューティングのサービスは大きく3つの提供形態に分けられます。
- SaaS (Software as a Service)
- PaaS (Platform as a Service)
- IaaS (Infrastructure as a Service)
ソフトウェアやアプリケーションをクラウド上で利用する形態です。
Google WorkspaceやMicrosoft 365などが代表例となります。
アプリケーションの開発環境をクラウド上で提供する形態です。
Google App EngineやMicrosoft Azureがこれに該当します。
サーバーやストレージなどの基本的なインフラをクラウド上で利用できる形態です。
Amazon Elastic Compute Cloudが有名です。
クラウドコンピューティングのサービス形態
クラウドサービスは、その利用環境によっても分類されます。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- ハイブリッドクラウド
- マルチクラウド
アプリケーションやインフラなど全てのサービスをクラウド上で提供するサービスのことで、誰でも利用できるオープンなクラウドサービスになります。
デメリットとしては、誰でも利用できるオープンなクラウドサービスという点から外部からの脅威にさらされる可能性が僅かながらあるという点です。
代表例としては、Google CloudやAmazon Web Servicesがパブリッククラウドにあたります。
企業や個人が専用の環境を構築するクラウドサービスです。
運用管理にかかる費用や人件費を負担する必要性が生まれるため、ランニングコストが高くなる傾向にあります。
しかし、セキュリティやカスタマイズ性の自由度といった面で優れたクラウドにしたい場合は、プライベートクラウドが適していると言えます。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの優れた部分を組み合わせた形態です。
カスタマイズ性の自由度やセキュリティ面の良い部分を組み合わせることで、セキュリティ面の心配をせずに多くの人がアクセスできる環境を構築できます。
低コストで高セキュリティと理想的なシステムを構築できるメリットがある一方で、管理面が煩雑化しやすい一面があるので注意が必要です。
複数のクラウドベンダーから提供されるクラウドサービスを組み合わせて利用する運用形態のことを指します。
これにより、それぞれのクラウドサービスの特長を活かしながら、ニーズに合わせた最適な環境を構築することができます。
クラウドコンピューティングのメリット
ここからはクラウドコンピューティングのメリットについてご紹介します。
すぐに利用可能
クラウドコンピューティングのサービスの多くはインターネット経由で提供されるため、物理的なサーバーの設置やソフトウェアのインストールが不要です。
アカウント作成や契約後、すぐにサービスを利用開始できます。
導入にコストがかからない
クラウドコンピューティングサービスの多くは従量課金制であるため、初期費用がかかりません。
また、ハードウェアなどをはじめに用意する必要もないため、インターネット環境と端末さえ揃っていればハードウェアなどの設備に投資する資金も不要です。
そのため導入ハードルはかなり低く、なにも揃っていない状態でもコスト面の不安を抱えずに導入に踏み切ることが可能になります。
運用・保守が不要
クラウドベンダーがサーバーの運用やソフトウェアの更新を行うため、自社で運用や保守をするための人員を用意する必要がありません。
これにより、リソースを他の業務に集中させることができます。
どこからでもアクセス可能
インターネット環境があれば、地理的な制限もなくサービスを利用できます。
リモートワークや出張中でも、データにアクセスし、業務を続けることができるため、柔軟な働き方を実現できます。
柔軟にスケーリングできる
ビジネスの成長や変化に応じて、リソースの拡張や縮小が容易に行えます。
これにより、予測不能な需要の変動にも迅速に対応することが可能になります。
クラウドコンピューティングのデメリット
クラウドコンピューティングには、上記で挙げたメリットがある一方でいくつかのデメリットも存在します。
ここからは、クラウドコンピューティングのデメリットを分かりやすくご紹介していきます。
インターネットに接続できる環境でないと利用できない
クラウドコンピューティングサービスはインターネット経由で利用するため、インターネット環境がない場所では利用できません。
特に災害時など、インターネットアクセスが不安定になる状況では、サービスの利用に影響が出る可能性があります。
ベンダー側の都合によるサービス終了のリスク
クラウドコンピューティングサービスはベンダーによって運営されているため、ベンダーの都合でサービスが終了するリスクがあります。
サービス終了により、利用していたデータや機能が突然使えなくなる可能性があるため、信頼性の高いプロバイダを選ぶことが重要になります。
カスタマイズの制限
クラウドコンピューティングは、多くのユーザーに共通のサービスを提供する形態のため、個々のユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが難しい場合があります。
特に細かい部分のカスタマイズを求める場合、クラウドサービスの利用が不向きなケースも存在します。
社内システムとの連携問題
クラウドコンピューティングサービスは、社内で利用している既存のシステムとの連携が難しい場合があります。
事前にシステム連携の可否を確認することが重要で、連携が難しい場合は、ハイブリッドクラウドの検討など、他の選択肢を考える必要があります。
情報漏洩のリスク
クラウドコンピューティングサービスを利用する際は、データがインターネット上に保存されるため、サイバー攻撃などによる情報漏洩のリスクがあります。
多くのクラウドコンピューティングサービスのプロバイダは高度なセキュリティ対策を講じていますが、万が一のリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要になります。
クラウドコンピューティングを導入を検討する際は、これらのデメリットを理解し、メリットと照らし合わせながら、自社にとって最適な選択をすることが大切です。
クラウドコンピューティングサービスの代表例
AWS(Amazon Web Services)
豊富な機能と長い提供期間による実績を持っています。
AWSはクラウドサービスの中でも特に多くの企業に利用されており、そのサポート体制も充実しています。
公式の認定資格を持つ専門家によるサポートが受けられる点も魅力の一つです。
Google Cloud
GmailやYouTubeなど、Googleの提供するサービスの基盤としても利用されています。
サービス提供期間は比較的短いものの、Googleが持つ豊富なクラウドサービス実績が信頼性を高めています。
特にコンテナ技術に関しては、業界をリードする技術を提供しています。
Microsoft Azure
WindowsやMicrosoft Officeとの高い親和性があり、Microsoft製品を既に利用している企業にとっては、Azureが最適な選択肢となることが多いです。
また、オンプレミス環境との連携にも優れており、ハイブリッドクラウドとしての利用が可能です。
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