こんにちは、KIYONOエンジニアの田代です。
Google のネットワーク戦略の進化
Human-driven (2012年以前):
ネットワークの運用は主に人手で行われていました。ネットワークの規模が拡大するにつれ、運用管理の複雑さが増大し、人的ミスや対応の遅延などの課題が生じていました。 Workflow-driven (2012年):
ワークフローの自動化により、一部の運用タスクが効率化されました。しかし、依然として複雑なネットワーク設計や計画は人手で行う必要がありました。
Event-driven (2017年):
イベント駆動型アーキテクチャの導入により、ネットワークイベントへの対応が迅速化されました。しかし、イベント発生時の根本原因分析や対策には、依然として人による判断が必要でした。 Machine-driven (2024年):
機械学習の導入により、ネットワークの運用効率が大幅に向上しました。AIがネットワークトラフィックを分析し、最適なリソース配分やルーティングを自動的に行うことで、パフォーマンスと信頼性が向上しました。 Autonomous (2024年以降):
AIがネットワーク全体を自律的に制御する時代です。障害発生時の自動復旧や、セキュリティ脅威への自動対応など、人が介入することなくネットワークが自己修復・最適化を行います。これにより、障害対応時間が数時間から数分に短縮され、運用効率とレジリエンスが飛躍的に向上します。
Google の次世代グローバルネットワーク
グローバル規模のインフラストラクチャ :
42のリージョン、202のネットワークエッジロケーション、33本の海底ケーブル、200万マイル以上の光ファイバー、200以上の国と地域、3000以上の CDNロケーションを擁する大規模なインフラストラクチャ上で動作します。 AI 駆動型運用 :
AIがネットワークの運用を自動化し、パフォーマンス、信頼性、セキュリティを最適化します。インテントベースのプログラマビリティ :
顧客のビジネスポリシーをネットワークインテントに変換することで、柔軟なネットワーク制御を可能にします。例えば、データ主権に関するポリシーに基づいて、特定のデータが特定の地域外に転送されるのを防ぐことができます。
マルチシャードネットワーク :
大陸や地域をまたぐ、Geminiのトレーニングフットプリントの拡大に対応するために開発されました。従来の垂直方向のスケーラビリティの限界を克服し、水平方向のスケーラビリティを実現します。複数の独立したシャードを単一のネットワーク上で運用することで、帯域幅を LANレベルにまで拡張できます。
顧客にもたらされるメリット
高速化 :
AI駆動型運用により、ネットワーク遅延を最小限に抑え、高速なデータ転送を実現します。 高信頼性 :
自律型ネットワーク運用により、障害発生時にもサービスの継続性を確保し、高い信頼性を提供します。 効率化 :
AIによる自動化により、運用コストを削減し、効率的なネットワーク運用を可能にします。
安全性 :
ゼロトラストセキュリティモデルに基づいて設計されており、高度なセキュリティ対策を提供します。
パートナーシップ
NOC/SRE ユーザーエクスペリエンス
デモ
マルチシャードネットワークにおいて、あるリージョンで障害が発生した場合、他のリージョンに自動的にトラフィックが切り替わり、サービスの継続性が維持される様子が実演されました。
Gemini がネットワーク障害を検出し、根本原因を分析、対策手順を提示する様子が実演されました。
質疑応答
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質問 : 自律型ネットワークは、どのような業種の企業に適していますか?回答 : 自律型ネットワークは、あらゆる業種の企業に適しています。特に、ミッションクリティカルなアプリケーションを運用する企業や、グローバルに事業展開する企業にとって大きなメリットがあります。質問 : 自律型ネットワークの導入には、どのような準備が必要ですか?回答 :自律型ネットワークの導入は、既存のネットワーク環境に依存します。Google Cloud の専門家が、お客様の環境に最適な導入プランをご提案します。
質問 : ネットワークのセキュリティ対策はどのように強化されていますか?回答 :Google の次世代グローバルネットワークは、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいて構築されており、データの暗号化、アクセス制御、脅威検知など、多層的なセキュリティ対策を提供します。
まとめ
本レポートが、Google の次世代グローバルネットワークへの理解を深める一助となれば幸いです。
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