GeminiとGoogle Workspaceで実現するセキュアでコンプライアンスに準拠した生成AIデプロイ【Google Cloud Next ’25 レポート】

GCP

こんにちは、KIYONOエンジニアの田代です。

生成AIは大きな可能性を秘めていますが、企業が導入する際にはセキュリティとコンプライアンスへの配慮が不可欠です。

Google Cloud Next ’25のセッション「Gemini と Google Workspaceで実現するセキュアでコンプライアンスに準拠した生成 AIデプロイ」では、この課題に対する Google のソリューションが紹介されました。

本レポートでは、このセッションの内容を要約し、GeminiとGoogle Workspaceを活用した安全な生成AI導入戦略について解説します

生成AI導入における課題

生成AI の導入は、企業にとって新たなリスクをもたらします。機密データの漏洩、不適切なコンテンツの生成、バイアスの増幅など、様々な問題が発生する可能性があります。

また、AI モデルの透明性や説明責任の確保も重要な課題です。

Google のソリューション      

Google は、Gemini と Google Workspaceを組み合わせることで、セキュアでコンプライアンスに準拠した生成 AI デプロイを実現します。以下の機能が提供されます。

  • データセキュリティ:
    Gemini は、Google Cloudの堅牢なセキュリティ基盤上で動作し、データの暗号化やアクセス制御など、高度なセキュリティ対策を提供します。
  • コンプライアンス:
    Google Workspace は、様々な業界標準や規制に準拠しており、生成 AI の利用においてもコンプライアンスを確保できます。
  • 透明性と説明責任:
    Google は、AI モデルの透明性と説明責任を重視しており、モデルの動作原理や学習データに関する情報を提供しています。
  • 柔軟なデプロイオプション:
    Gemini は、クラウド、オンプレミス、エッジなど、様々な環境にデプロイできます。

GeminiとWorkspaceの連携

Gemini と Google Workspace の連携により、以下のようなシナリオが実現可能です。

  • セキュアな文書作成:
    機密データを安全に活用しながら、生成 AI で高品質な文書を作成できます。
  • コンプライアンスに準拠したコミュニケーション:
    生成 AI を活用したチャットボットなどで、コンプライアンスに準拠した顧客対応を実現できます。
  • AI を活用したデータ分析:
    大量のデータを生成 AI で分析し、新たなビジネスチャンスを発見できます。

プライバシー by Design

Google はプライバシー by Design を重視しており、Gemini は以下の原則に基づいて設計されています。

  • ユーザーのコンテンツはモデル学習や広告には使用されません。
  • ユーザーの許可なしにコンテンツにアクセスすることはありません。
  • ユーザーのコンテンツは他の顧客のコンテンツと混合されることはありません。

Shadow AI / BYO AI への対策

承認されていない生成 AI ツールの利用 (Shadow AI / BYO AI) は、セキュリティリスクやコンプライアンスリスクを高めます。

Google Workspace は、以下の機能でこれらのリスクを軽減します。

  • データアクセス制御:
    アクセス権限のないユーザーが機密データにアクセスすることを防ぎます。
  • 共有制御:
    機密データの外部への共有を制限します。
  • AI 分類:
    機密データを自動的に検出し、適切なラベルを付与します。DLP(Data Loss Prevention)と統合され、より強力な保護を提供します。

データガバナンス

Gemini は、ユーザーのデータアクセス権限を尊重し、企業のデータガバナンスポリシーに沿って動作します。

管理者は、Gemini がアクセスできるデータ範囲を制限するポリシーを設定できます。これにより、機密データへの不正アクセスを防ぎ、コンプライアンスを確保できます。

マルチモデルサポートとオンデマンドトレーニング

Gemini は、マルチモデルサポートとオンデマンドトレーニングを提供します。これにより、企業は特定のニーズに合わせて Gemini をカスタマイズできます。

例えば、人事部門専用のモデルをトレーニングし、人事関連のファイルやポリシーの分類に利用できます。

オンデマンドトレーニング機能を使えば、必要なときにモデルを再トレーニングし、常に最新のデータでモデルを最適化できます。

デモ

セッションでは、Google Workspace 環境での Gemini 活用デモが行われました。

  • Docs での AI アシスタント:
    文書作成時に、AI がリアルタイムで文章の改善提案や情報提供を行います。
  • Meet での自動議事録作成:
    会議の内容を AI が自動的に文字起こしし、議事録として保存します。
  • Chat での AI チャットボット:
    顧客からの問い合わせに AI チャットボットが自動応答します。

まとめ

Gemini と Google Workspace を組み合わせることで、企業はセキュリティとコンプライアンスを確保しながら、生成 AI の力を最大限に活用できます。

Google のソリューションは、生成 AI 導入における様々な課題を解決し、ビジネスの成長を加速させるでしょう。

本レポートが、生成 AI の安全な導入戦略策定に役立つことを願っています。

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