さようなら、従来のイントラネット。こんにちは、AI。【Google Cloud Next ’25 レポート】

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こんにちは、KIYONOエンジニアの田代です。

現代のナレッジワーカーは、情報へのアクセス、意思決定、そしてコラボレーションにおいて、かつてないほどの課題に直面しています。
Google Cloud Next ’25のセッション「さようなら、従来のイントラネット。こんにちは、AI。」では、レガシーなイントラネットの限界と、AIを活用した新しい働き方について解説されました。

本レポートでは、このセッションの内容を詳細にまとめ、AgentSpaceがイントラネットの役割をどのように再定義し、従業員の働き方を革新するのか、そして企業がどのようにAgentSpaceを導入できるのかについて解説します。

従来のイントラネットの限界

従来のイントラネットは、情報やツールを整理するためのプラットフォームとしては機能していましたが、それらを統合・連携させることはできませんでした。

また、従業員は必要な情報を探すために、複数のアプリケーションやシステムを行き来する必要があり、非効率なワークフローを強いられていました。

現代の従業員のワークフローは、かつてないほど複雑化し、断片化しています。

複数の分析プラットフォーム、生産性向上ツール、CRM、コミュニケーションツールなどを使い分ける必要があり、情報サイロ化が深刻化しています。

AgentSpaceによる働き方の革新

AgentSpaceは、AIを活用した新しいプラットフォームであり、従業員の働き方を以下のように革新します。

  • 情報へのアクセス:テキスト、画像、動画など、あらゆる形式の情報を横断的に検索可能
  • 情報の理解:複雑な情報を AI が分析し、意味やコンテキストを理解。
  • アクションの実行:AI エージェントが反復的なタスクを自動化。

これらの機能は、従業員の効率性向上、迅速な意思決定、そして新たなイノベーション創出に貢献します。

AgentSpaceの導入メリット

AgentSpaceを導入することで、企業は以下のビジネス価値を実現できます。

  • 従業員の効率性向上
    従業員はより少ない時間でより多くのタスクをこなせるようになり、生産性が向上します。
  • 収益増加
    業務効率の向上は、最終的に収益増加につながります。
  • ビジネス成果の加速
    創造性、創意工夫、そしてイノベーションを促進することで、ワークフローを最適化し、市場投入までの時間を短縮します。
  • 競争優位性の維持
    最新のAI技術を活用することで、競争優位性を維持・拡大できます。

AgentSpaceの活用事例

セッションでは、AgentSpaceの具体的な活用事例が紹介されました。

これらの事例は、AgentSpaceが様々な業務で活用できることを示しています。

  • 個人:メール検索、スケジュール管理、情報検索、チャットボットとの対話
  • 全社:ナレッジベース検索、人事手続き、出張・経費精算、ITサポート
  • 部門:営業、マーケティング、人事、研究開発など、各部門特有のワークフロー

これらの事例は、AgentSpaceが従業員の日常業務を効率化し、より重要な業務に集中できるよう支援することを示しています。

デモ:AgentSpaceによる営業活動の支援

セッションでは、AgentSpaceを活用した営業活動支援のデモが行われました。

このデモでは、架空の営業担当者がAgentSpaceを使用して顧客とのQBR (Quarterly Business Review: 四半期ごとの事業検討) の準備をする様子が実演されました。

デモの流れは以下の通りです。

  1. 営業担当者は、AgentSpaceに「Salesforceにある私のすべてのオープン商談のレポートを作成して」と指示
  2. AgentSpaceは、Salesforceにアクセスし、商談名、説明、完了予定日、ステージ、次のステップなどの情報を抽出し、レポートを生成
  3. 営業担当者は、AgentSpaceに「このレポートをJanetにメールで送信して」と指示
  4. AgentSpaceは、レポートを添付したメールの下書きを作成、営業担当者は必要に応じて内容を編集し、メールを送信
  5. 営業担当者は、顧客との過去のミーティングの議事録をAgentSpaceに要約するように指示AgentSpaceはGoogle Meetの議事録にアクセスし、要約を生成
  6. 営業担当者は、過去の受注実績に関する情報をAgentSpaceで検索、AgentSpaceはSalesforceのデータにアクセスし、平均受注額などの情報を提供
  7. 営業担当者は、顧客の担当者であるAliceについてAgentSpaceで検索、AgentSpaceは、Jiraのデータにアクセスし、Aliceが抱えている問題に関する情報を提供

このデモは、AgentSpaceがいかに簡単に様々なデータソースにアクセスし、必要な情報を抽出できるかを示しています。

営業担当者は、AgentSpaceを活用することで、データ収集や分析に費やす時間を削減し、顧客との関係構築や商談の成約に集中できます。

AgentSpaceが生成したレポート

バリューの実現:AgentSpace導入効果の測定

AgentSpaceの導入効果を測定するためには、以下の3つの質問に答える必要があります。

これらの質問は、単なる技術導入ではなく、ビジネス課題の解決と価値創出に焦点を当てた導入アプローチの重要性を示しています。

  1. 既存のシステムやデータ、そして確立されたガバナンスとセキュリティポリシーをAgentSpaceとシームレスに統合できるか?
    新たなシステムへの移行に伴うリスクとコストを最小限に抑えながら、AgentSpace の利点を最大限に引き出すためには、既存環境との連携が不可欠です。
  2. 新しいテクノロジーやAIツールを、組織全体で迅速に学習し、活用できるか?
    AgentSpaceの導入効果を最大化するためには、従業員がスムーズに新しいツールに適応し、その機能を効果的に使いこなせるよう支援する必要があります。継続的な学習と改善を促進する仕組みづくりが重要です。

  3. AgentSpaceの導入により、従業員の生産性、ひいてはビジネス全体の生産性は向上したか?
    生産性の向上は、時間短縮、タスクの自動化、意思決定の迅速化など、様々な形で現れますAgentSpace導入の最終的な目標は、生産性向上を通じてビジネスの成長を促進することです。

セッションでは、Banco BVの事例が紹介され、AgentSpace 導入により生産性が3.4倍に向上し、年間5000時間分の生産性向上が実現したことが報告されました。

AgentSpaceの技術基盤

AgentSpaceは、Googleの最先端のAI技術を基盤としています。

具体的には、以下のような技術が活用されています。

  • Google品質の検索
    Googleの高品質な検索機能をAgentSpaceに拡張
  • 最先端のAIモデル
    Gemini、Imagen、NotebookLM など、Googleの最新のAIモデルを活用
  • 30以上のデータソースとの連携
    Salesforce、Box、Jira、SharePointなど、様々なエンタープライズアプリケーションと連携

質疑応答

  • 質問:AgentSpace の料金体系はどのようになっていますか?
  • 回答:AgentSpace の料金は、利用状況に応じて変動します。詳細については、Google Cloud の営業担当者にお問い合わせください。
  • 質問:AgentSpace は、現在利用可能ですか?
  • 回答:AgentSpace は、現在プレビュー版として提供されています。
  • 質問:AgentSpace は、どのような規模の企業に適していますか?
  • 回答:AgentSpace は、あらゆる規模の企業に適しています。スタートアップから大企業まで、様々な企業が AgentSpace のメリットを享受できます。

    まとめ

    AgentSpaceは、AIを活用することで、従来のイントラネットの限界を克服し、従業員の働き方を革新する新しいプラットフォームです。

    情報へのアクセス、理解、そしてアクションの実行を効率化することで、従業員の生産性向上、迅速な意思決定、そして新たなイノベーション創出に貢献します。

    AgentSpaceを活用することで、企業は競争優位性を維持・拡大し、ビジネスの成長を加速させることができます。

    本レポートが、AgentSpace を活用した働き方改革の参考になれば幸いです。

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